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    ネタバレのオンパレードですが

    2017.10.21 Saturday 23:28
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      こんばんは。文学部2年長谷川と申します。白雪姫班の演出を務めさせていただいておりました。

      本日は、劇団NONNY第100回公演の初日でございました。1ステ目にあたる『白雪姫』にご来場くださった方がいらっしゃいましたら、この場を借りてご挨拶させてください。本当に、本当にお越しくださり有難うございました。

      ですが!公演はまだまだ終わっておりません。『白雪姫』をご覧になった方もそうでない方も、こちらを宜しくお願い申し上げます。



      【劇団NONNY第100回公演】


      『さあ、どうする?』

      日時:10/22 12:40開場、13:00開演

      作:球鹿 若久

      演出:石川 拓海


      場所:南部青少年センター

      (JR蘇我駅徒歩15分)




      『白雪姫』は本日の分で終わりです(荷が降りてふわふわしています!)が、明日は千秋楽。団員一同、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。



      やるべきことが終わってしまったので、ここからは書きたいことを書きたいだけ書いていこうかと思います。

      アドレナリン、とやらが放出されまくって眠れないわたしの脳みそが呟き、火照ったわたしの指が走らせる悪ふざけです。同じく眠れずにいらっしゃるのであればともかく、明晰な判断力をお持ちの方はブラウザを閉じ、明日の『さぁ、どうする?』を観に行くのに備えて寝室を暖めていただくのが宜しいかと思われます。

      お付き合いくださるお優しい方の眠りを妨げないよう、わたしも心を尽くしはしますが。



      さて、今だから言えるのですが実はわたし、本作品における若旦那というキャラクターが嫌いです。いや、役者じゃなくてね。役がね。


      戯曲『白雪姫』を最初に読んだ時、本当に若旦那に腹が立ってですね。いやあ無神経。正直若旦那が林檎を食べて死んでしまった時は、よくぞやってくれた白雪!と思ってしまったものです。

      「僕の上着を貸して『あげる』」

      「僕が助けて『あげなきゃ』」

      無自覚で無神経な優しい罪は積み重なり、遂にその唇は「僕がお前を『幸せにしてあげる』」という言葉を紡ぎます。

      或いはそれは白雪にとって、死刑執行のゴーサインだったのでしょう。彼の死は、きっと若旦那が若旦那である限り避けられないことだったように感じます。


      それでも、わたしは今日、舞台裏から若旦那の姿を見ていて、涙が止まらなくなってしまいました。彼の最期を知っているからこそ、彼が自分の理想を投げ捨てて白雪への愛を貫くことを決意した時、白雪が差し出す甘美な罪を手に取って愛しんだ時、あの時わたしは確かに、彼の死を悲しんだのです。

      きっと、在間くんが演じてくれたからなのでしょう。

      若旦那のことはやっぱり好きになどなれませんが、少しだけ、ほんの少しだけ、愛せるようになりました。

      文字だけでは、わたしは彼を愛せませんでした。勝手な思い込みですが、『白雪姫』が小説ではなく演劇作品になる理由が、若旦那にあるようにわたしには感ぜられます。

      若旦那のそんなところも嫌いで仕方ありません。



      しかしながら、わたしが嫌いなのは若旦那だけではありません。

      わたしはラストシーンを「醜くしてほしい」と役者に頼んだことがあります。醜く、あさましく、皮肉なほどに「ハッピーに」してほしい、と。

      わたしは許すことができません。娼婦たちの非道さを、自分たちが考える「幸せ」のためにいとも容易く自分を偽り、自分を愛してくれる人を騙し、その人を愛する人たちを踏みにじるという傲慢さを。

      パンのために自らの身体を売り物にする。社会における最下層、娼婦という立場は確かに痛ましいものでありましょう。それでも、彼女たちの罪は、わたしのような外野の人間が同情を差挾むには少しばかり臭いがきつすぎるのです。彼女たちには、申し訳、ないのですが。彼女たちはどうせ、許しも同情も求めてはいないのでしょうが。

      そんな、厭味なハッピーさが最後の場面に現れていたら、嬉しいです。非道く醜いと、やりきれないと思っていただけたとしたら、もっと嬉しいです。



      そうやって考えていくと、迫田しのぶという脚本家が生み出した『白雪姫』という物語が、何とも重厚であまりにも薄っぺらい、どぎつく芳しい罪の腐臭を放つ麗しい紅玉のように感ぜられるのです。それは美しくて恐ろしくて、もうずっとずうっと昔の話ではありますが……こんなに素敵なお伽話に出会えたことを、本当に幸せに思います。


      そして何より、わたしのこの、解釈などというには余りにも稚拙な邪推に耳を傾け、各々の台本に書き込み、最後まで演じきってくれた役者のみんなには、頭が上がりません。こんなに素敵な舞台を一番近くで目にできたことが、この人たちと一緒にやれたことが、この作品に関われたことが、幸せでたまりません。幸せで幸せで幸せで、そう、ちょうどあの娼婦たちと同じくらい、ハッピーなのです。

      最高の役者たちに加えて、人手が足りない中わたしの我が儘を実現してくれたスタッフのみんな、ご指導いただいた先輩方、そしてご来場くださった皆さま。卑しいわたしなどをこのように仕立ててくださいましたこと、心より感謝いたします。いえ、感謝してもしきれません。ですがもう一度だけ、言わせてください。有難うございました。


      少し調子に乗りすぎたように思います。そろそろ筆を置いて、明日に備えることにいたしましょう。

      あぁ、それとも、お客さま。

      眠れないのなら、お夜食に林檎はいかがでしょうか。



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